「鹿児島市で家を建てたいけど、気候や台風の影響が気になる」
このようなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では、鹿児島市の気候や過去の気象災害について解説し、台風や豪雨に負けない家づくりのポイントも紹介します。
鹿児島市で注文住宅の購入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
鹿児島市の気候に関する基本情報

平均気温 | 日平均:20.4 ℃ 日最高:24.7 ℃ 日最低:17.0 ℃ |
降水量 | 3064.5 mm |
雪日数 | データなし |
積雪量 | データなし |
鹿児島市は九州の南端に位置し、一年を通して比較的温暖で降水量が多いのが特徴です。
2024年の気象庁データによると、年間の平均気温は20.4℃、降水量は3,064.5mmと全国的にも雨が多い傾向にあります。
雪日は記録されていないものの、山間部では積雪が見られることもあり、車を使う地域ではスタッドレスタイヤが必要になる場合もあります。
また、1951年から2024年の台風上陸数は全国最多(※)を記録していることから、風害や水害への備えが特に重要な地域といえるでしょう。
※出典:気象庁「上陸数」
鹿児島市の過去の気象災害
鹿児島市では、1993年(平成5年)8月の集中豪雨によって深刻な被害が発生しました。
台風の相次ぐ接近により降水量が増え、河川の氾濫や土砂崩れが各地で発生。鹿児島県内では72人の死者・行方不明者、446棟の家屋全壊が記録され、この災害は「8・6水害」として今も語り継がれています。
さらに、2020年・2021年の梅雨時にも記録的な大雨が発生し、床上・床下浸水の被害が相次ぎました。
このように、鹿児島市は台風や大雨の影響を受けやすい地域であるため、過去の教訓を活かし、日頃からの備えを心がけることが大切です。
参考:鹿児島地方気象台「平成5年8月豪雨」
台風に強い家の特徴

台風に強い家の特徴は以下の3つです。
- 鉄筋コンクリート造である
- 平屋構造である
- 雨戸・シャッターを設けている
順番に詳しく見ていきましょう。
鉄筋コンクリート造である
台風に強い家の特徴として、鉄筋コンクリート造(RC造)である点が挙げられます。
RC造は、「引っ張る力」に強い鉄筋と「圧縮する力」に強いコンクリートを組み合わせた頑強な構造により、地震や台風による揺れやねじれにも耐えられるのがメリットです。
また、建物自体が重いため、強風で飛ばされにくく、洪水時に流されにくい点も強みです。
実際、台風の多い沖縄県では住宅の80%以上がRC造とされ、耐久性・安全性の高さが高く評価されていることが分かります。
参考:NHK 沖縄NEWS WEB「沖縄 価格の安い木造住宅の着工件数が過去最多 2023年度」
平屋構造である
平屋住宅は1階部分だけで構成されているため、重心が低く、台風による強風の影響を受けにくい構造といえます。
2階建てに比べて風圧による揺れが少なく、基礎も安定しているため、倒壊リスクを抑えられるのが特長です。
中でも、壁・床・天井を一体化させて箱型に組み立てる「モノコック構造」の平屋は強度が高く、地震など他の災害時にも安心感があります。
また、建物が低くシンプルな形状であることから、外壁のひび割れや劣化の点検、修理も行いやすく、メンテナンス性に優れている点も魅力です。
このように、平屋は防災性と暮らしやすさの両面でメリットのある住まいといえるでしょう。
雨戸・シャッターを設けている
台風対策では、飛来物から窓ガラスを守る「雨戸」や「耐風シャッター」の設置が効果的です。強風時には屋根材や枝、小石などが飛んできて窓ガラスが割れ、破片でけがをしたり、雨風が室内に吹き込んだりするおそれがあります。
耐風シャッターや雨戸は、このような被害を防ぐと同時に防犯性や遮音・断熱効果も期待できるため、日常の暮らしにも役立つ設備です。
特に、鹿児島市では桜島からの降灰があるため、雨戸や耐風シャッターを設けることで、火山灰が窓に付着したり、室内に侵入するリスクも低減できるでしょう。
豪雨に強い家の特徴

豪雨に強い家の特徴は以下の3つです。
- 高床構造である
- 防水性能の高い外壁材を使用している
- 電気設備を高所に設置している
それぞれ解説します。
高床構造である
昨今では集中豪雨による浸水被害が全国で相次いでおり、鹿児島市でも大雨による冠水がたびたび報告されています。
こうした水害への備えとして有効なのが「高床構造」です。
建物の床を地面より高く設計することで、床下や床上への浸水リスクを抑えることが可能です。
また、床下に空間ができることで通気性が良くなり、湿気やカビの発生を防ぐ効果も期待できます。
さらに、1階部分を駐車場として活用すれば、土地を有効に使えるため、特に敷地の限られた住宅地では実用的な構造といえるでしょう。
防水性能の高い外壁材を使用している
豪雨による浸水は地面からだけでなく、外壁や屋根を伝って室内に雨水が入り込むこともあるため、外壁材の防水性能も重要です。
なかでも「樹脂サイディング」は、防水性や耐久性に優れており、継ぎ目に専用のシーリング材を使わなくても高い防水性を発揮する点が特長です。
接合部からの水漏れを抑えられ、メンテナンスの手間も少なく済むため、長く安心して暮らせる外装材といえます。
さらに、ガルバリウム銅板などの金属製の外壁材よりも塩害に強く、サビや腐食が起きにくいことから、鹿児島市内でも海に近いエリアでの利用に適しています。
電気設備を高所に設置している
豪雨による浸水に備えるには、水の侵入を防ぐだけでなく、万が一の被害を最小限に抑える工夫も欠かせません。
例えば、通常は床の近くにあるコンセントを壁の高い位置に変更したり、給湯器やエアコンの室外機を想定される浸水の高さより上に設置することで、電気設備への被害を防ぎやすくなります。
さらに、2階建ての住宅で1・2階に別々のブレーカーを設けておけば、1階が停電しても2階では電気が使えるため、避難せずに生活を続けやすくなります。
このように、浸水を想定した電気系統の配置も、安心な住まいづくりにおいて重要なポイントです。
台風・豪雨に強い家づくりのポイント

台風・豪雨に負けない家をつくるポイントは以下の3つです。
- 被災リスクの低い土地を選ぶ
- 定期的に修繕を行う
- 被災時を想定した生活基盤を整える
安心して暮らせる住まいづくりには、長期的な視点が不可欠と言えます。
被災リスクの低い土地を選ぶ
台風や豪雨に強い家を建てるには、建物自体の強さだけでなく、建てる場所の選び方も重要です。
例えば、大きな川の付近や傾斜地、山あいの土地は、洪水や土砂災害のリスクが高まるため注意が必要です。
こうした場所では、防災対策にかかる費用や管理の負担も増える可能性があるため、可能な限り避けるのが望ましいでしょう。
とはいえ、「災害の起きない完全に安全な場所」はなかなか存在しません。
市が公開している『鹿児島市防災ガイドマップ』などを活用し、土地の地形や災害履歴、想定される被害、避難所の位置などを確認しながら、安心して暮らせるエリアを選ぶことが大切です。
定期的に修繕を行う
どんなに丈夫な家でも、手入れを怠れば防災性能は次第に低下してしまいます。
例えば、外壁や屋根の塗装は築10年を目安に再塗装が推奨されており、耐久性の高い建材でも放置すると雨漏りや腐食などの原因になることがあります。
ひび割れやカビ、釘の浮き・抜けなど劣化サインを見逃さないためにも、定期的に目視で点検し、気になる箇所があれば専門業者に相談するのがおすすめです。
特に鹿児島市では、火山灰の堆積によるダメージもあります。
メンテナンスを習慣化し、快適かつ安全に暮らせる住まいを守りましょう。
被災時を想定した生活基盤を整える
台風や豪雨に対する備えでは、建物の強化だけでなく「被災した場合を想定した暮らし方」も重要です。
例えば、強風で窓ガラスが割れた際のケガを防ぐため、ベッドやソファは窓際を避けて配置しましょう。
また、1階が浸水しても生活を続けられるよう、水回りを2階に設置する方法も効果的です。
さらに、停電や物流の停止が長期化した場合に備えて、食料や生活用品を保管できるパントリーなどを確保しておくことも安心感につながります。
「自分も被災するかもしれない」という前提で住まいづくりを進めることで、被災した場合も落ち着いて行動でき、生活を再建しやすくなるでしょう。
鹿児島市の水害や地震リスクについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
>>「鹿児島市で水害や地震のリスクが高いエリアは?注文住宅に必要な耐震性なども紹介」
鹿児島市で台風・豪雨に強い注文住宅を建てるなら万代ホームにご相談を
海に面する鹿児島市は、暖かく湿った風の影響を受けやすいため、雨が多く、台風の上陸数も多いまちです。
過去には大規模な水害も記録されているため、鹿児島市で家を建てる際は、台風や豪雨に備えた土地選びや設計が重要になるといえるでしょう。
また、火山灰の堆積しにくい設備を整えることも大切です。
万代ホームでは、お客様の理想を叶える、安心・安全な住まいづくりに取り組んでいます。
鹿児島市で台風や豪雨に強い注文住宅をご検討の際は、ぜひ万代ホームにご相談ください。